筋肉痛のメカニズムと効率的な筋トレ方法について
なぜ筋肉痛が起こるのか
筋トレをすると必ずやってくる「筋肉痛」。
人によってはその日のうちからなったり、次の日からなったり、遅ければ2日後になることも。
筋肉痛は「遅発性筋肉痛」とも呼ばれ、後になって発生するという意味ではその日の内になっても2日後になっても同じものです。
実は、筋肉痛はどうして発生するのかは詳細なメカニズムは実はよく分かっていないのです。
しかし、一般的な説としては以下のものが考えられます。
筋繊維が損傷
強度の高い運動をすると筋肉がダメージを負います。
これは筋肉が激しく収縮を繰り返すことで、筋繊維が小さく断裂するため。
断裂した繊維は炎症を起こしてそこで痛みが発生します。
疲労物質が蓄積
激しい運動をすると疲労が蓄積されます。
疲労は乳酸などの疲労物質が溜まることで起きますが、その際に筋肉に痛みが生じます。
基本的に疲労は運動直後が最大に達するものです。
このときに発生した筋肉痛は疲労物質によるものと考えられています。
運動直後の筋肉痛を「即時性筋肉痛」と呼びます。
筋肉痛がなければ効果がないのか
筋肉痛の激しさはトレーニング強度の高さの証明でもあります。
では、筋肉痛がなければ筋トレの効果が低いのかというとそうでもありません。
プロのアスリートは筋肉痛にならない程度に筋トレをするのが通常です。
なぜかというと、筋肉痛は筋肉を損傷して起こるものであり、筋肉が損傷すると筋肉は成長を遅らせてしまうのです。
理想は筋肉の成長スピードを阻害しない程度の負荷でトレーニングをすることです。
筋肉痛のときに筋トレしても良いのか
筋トレメニューを作ると毎日同じトレーニングを行うようになっている人は少なくありません。
しかし、これはあまり良いトレーニング法ではありません。
なぜなら、筋肉痛が起きているときにその部位に負荷をかけてトレーニングをしてもあまり効果は得られないためです。
筋肉が損傷している部位をさらにトレーニングで損傷させることは避けたほうが良いでしょう。
理想としては筋トレをした次の日には別の部位をトレーニングすること。
こうすれば連続で筋繊維に負荷をかけることなく、筋トレを続けることができます。
歳を取ったら筋肉痛が遅くなる?
年を取ったら筋肉痛になるのが遅くなるという話もありますが、これは正しくはありません。
筋肉は損傷した筋繊維が回復する過程で炎症が起きて痛みます。
普段から運動やトレーニングによって筋肉を使っている人はこの筋繊維の回復が早く働きます。
しかし、あまり運動をしていない人がハードなトレーニングをしても回復がなかなか始まらず「2日後に筋肉痛」ということが起こります。
つまり、2日後に筋肉痛が来る人は単純に運動不足ということであり、年齢は関係ないのです。
歳を取ると運動する機会が減るため、筋肉痛が遅く来てしまい、それが年齢のせいだと勘違いされたのでしょう。
超回復を使って効果的にトレーニング
超回復とは
筋トレ直後は筋肉のエネルギーは0に近くなります。
しかし、トレーニング後にしっかり筋肉を休めることで、筋肉は以前よりも多くのエネルギーを蓄えられるようになり、トレーニング前よりも強靭な筋肉を生み出すことができるのです。
これが超回復の原理です。
超回復に必要な時間はおよそ48時間~72時間といわれています。
そのため、筋トレをした後は少なくとも2、3日は負荷をかけずに休ませるのが望ましいとされています。
週に2~3回ペースで筋トレすれば理想の体を作ることができるでしょう。
継続することがなによりも大切
筋トレは継続することで効果が見えてくるものです。
まずは無理のない強度、頻度で続けることを意識しましょう。
超回復も考慮して異なる部位のトレーニングメニューを作り、2、3日おきに負荷をかけていくのが無理なくトレーニングする秘訣です。
筋肉がつくと基礎代謝が上がりますので、太りにくい身体を作ることができます。
また、血流が改善されることでさまざまな疾患の予防にもなります。
効果的なトレーニングを積んで、理想的な身体を作り上げてください。